劇場アニメ最前線〜君は映画を信じるか [イベント]
10月29日に、文化庁映画週間MOVIE CAMPUS
『劇場アニメ最前線〜君は映画を信じるか』という催しに参加。
片渕須直さん、神山健治さん、瀬下寛之さんのお三方が登壇。
井上伸一郎さんの司会進行で、丁々発止なお話会。
冒頭、昨年の三大怪獣ネタを再び拝聴する事に。
片渕監督の話メインでぼんやりとまとめましたが、ちょっと長いです。
映画原体験の話で三監督から飛び出したタイトル群が以下のような物。
片渕監督 『わんぱく王子の大蛇退治』
神山監督 『シンドバッド虎の目大冒険』
瀬下監督 『スターウォーズ』他ルーカス、スピルバーグ系……と記憶。
片渕監督の祖父が映画館を経営していた話、羨ましかった。
すずさんが見た大和のサイズ、見え方について資料写真を見ながらお話。
見え方とは、大和だけでなく、その周辺に見える風景全て。
大和の全長、米軍撮影の航空写真、呉湾のブイ配置等からサイズ割出。
ロケハンでは現代のアングルなので、当時の風景を資料を基に再現し
家を一軒一軒描いて行ったという話は、会場から笑いが。
呉は大きな空襲だけでも6回空襲されている。 一言に空襲と言っても
爆撃だったり焼夷弾だったり全て別の物で、機銃掃射もされていた。
そんな環境に居たら、呉の人達はどんな心境になるのかと。
塚本晋也監督から、空襲を評価したコメントをされて嬉しかったそうで。
調べて分かった、戦中戦後を舞台にした映画のフィクション性についての話。
よく見られるガラスに貼ったテープについて調べてみると
使われていた時期と使われていない時期が有った。
戦争末期はテープを貼るのに使う糊が無い。 糊に使う様な米は食べていた。
貼るにしても、×ではなく#に貼っていた。 焼夷弾には天井板を外して対応。
モンペは昭和18年以前だと、ほとんど履かれていなかった。
東宝の衣装さんが出版した戦時中の衣装の資料本を紹介。価格についても一言。
映画には当時そのものが撮影されている。 当時のスタッフは当時を知っている筈。
戦時中戦闘機の接近音の資料として録音された音源が後に貴重な素材となり
音質は悪いけれども、8.15シリーズ等に使われ続けた話が。
ちなみに8.15シリーズとは岡本喜八監督の『日本の一番長い日』が大ヒットして
東宝で量産された一連の戦時ネタ映画の事です。『山本五十六』『沖縄決戦』等。
作画については、監督の作風には存在感の有る肉感的な絵である事が大事で
全て手描きな事を驚かれて、コレが当たり前だと思っていたと。
クラウドファウンディングは、制作費を集めるのと同時に
どれだけの熱意の有る観客が居るか可視化する事が目的だった。
意外と上の世代で、今までにこの世代に向けて作品が作られなかったのではと。
手描きアニメは、描く人が頑張れば後から画の追加が出来るけど、3Dだと
最初に全てシーンと素材を決めてから作るので、後から追加するのは難しいという話。
最近3Dを齧り始めたので、なるほどなぁと感じた。
日常を描く上で、キャラの動作を自然にすると動き続ける事になるので
そういう意味では3Dは都合が良い……と思いきや、スタジオによって
動きをコマ落とししたりフルにしたりと、色々あるそうで。
観客はブランドを求めている。 今まではジブリ作品を安心して見ていたけど
新作を作らなくなったので、他にもこんな面白い物が有ると視野が広がった。
これから更に新作が作られていくでしょうという事で第一部は幕。
個人的には『ひるね姫』の特報をスクリーンで見たかった。 早稲田で見られるかな?
いやはや、ろくな写真が撮れなかったナリ。
続いて第2部。 『WⅩⅢ 機動警察パトレイバー』を鑑賞。
手にした整理番号がなんと13番。 何の因果だろう。
とり・みきさんが脚本という事を知っていた位で初体験。パトレイバーは劇場版2作を
見た事がある位で原作は一切知らない位の知識だったんですが、面白かった。
面白かったけど好きじゃない。 死んだ目をしたキャラデザに魅力を感じませんでした。
コレは今敏監督作でよく感じたトコ。 海外受けはコッチが良いのかな?
Wはダブルの略だとばっかり思ってた。 Wasted 廃棄した物の略なのね。
お手伝いと思しき原画スタッフの面々が贅沢。
スタッフに金子隆一さんのお名前を見かけてビックリ。
怪獣を作り出す博士と、対抗する兵器が1発しか無いという辺り
ウルトラマンの『謎の恐竜基地』+『さらばウルトラマン』感。
エリマキの代わりにレイバーの装甲を付けたのかしらん。
デッドリースポーンを思い出したのは私だけ?
ただ、あのデザインは成田亨さんが嫌っていた系統のデザインだと思う。
退場時、井上さんのお姿が。 どうやら観客と一緒に鑑賞されていた模様。
いつまでも推敲が止まらないので、ここらでストップ。
長文にお付き合い頂き、ありがとうございます。
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